「申し訳ございません」を連呼するほど、悪い店に見える
クチコミ返信を作るツールを開発しています。仕事柄、いろいろな業種の返信文を大量に読みます。そのなかで、はっきりと傾向として見えてきたことがあります。
謝罪の言葉を重ねた返信ほど、読んだ人に「この店は本当に悪いことをしたのだ」という印象を残します。
誰がその返信を読んでいるのか
前提を1つ確認します。クチコミへの返信を最も熱心に読むのは、レビューを書いた本人ではありません。書いた人はすでに怒っていて、多くの場合その店にもう来ません。
実際に読んでいるのは、これから行くかどうかを決めようとしている第三者です。星1のレビューを見つけて、「本当かな」と思って返信を開く。その人が、あなたの返信の主な読者です。
この前提が抜けると、返信の書き方は全部ずれます。投稿者をなだめるための文章を書いてしまうからです。
謝罪が3回入ると何が起きるか
たとえばこういう返信があるとします。
この度は大変申し訳ございませんでした。ご不快な思いをおかけしてしまい、重ねてお詫び申し上げます。今後このようなことがないよう努めてまいります。誠に申し訳ございませんでした。
書いた側は誠実に対応したつもりです。しかし第三者はこう読みます。
- 4文のうち3文が謝罪だから、よほどひどいことがあったのだろう
- 何が起きたのか具体的に書いていないのは、書けないほどまずいのだろう
- 「努めてまいります」だけで、何をするのかは書いていない
謝罪の量は、事の重大さのシグナルとして読まれます。 情報が何もない状態で謝罪だけが並ぶと、読み手は空白を最悪の想像で埋めます。
代わりに書くべき3つ
謝罪は冒頭の1回で十分です。残った文字数は次の3つに使います。
1. 何が起きたのかを、店側の言葉で書く
「ご注文をお伺いする際に目を合わせず、事務的な対応になっていた」のように、具体的に書きます。これを書くと、読み手は事態の大きさを自分で判断できます。想像で埋める必要がなくなります。
2. 原因を特定して書く
「混雑していたため」は原因ではなく言い訳です。「予約枠に対する回転想定が甘く、席の準備が間に合わない状態が続いていた」なら原因です。原因が特定されていると、次から起きないという主張に根拠が生まれます。
3. 実際に変えたことを1つだけ書く
「今後は努めてまいります」は何も約束していません。「10分以上お待たせする場合は必ずスタッフから状況をご説明するよう運用を変更しました」なら約束です。1つでいいので、実際にやったことを書きます。
逆効果になる3つのパターン
ここまでの内容を、やってはいけない形でまとめます。
曖昧な謝罪だけを繰り返す
前述のとおりです。読み手は空白を最悪の想像で埋めます。
反論を混ぜる
「当日は大変混み合っており」「当店では〇〇しております」といった一文を入れると、その瞬間に返信は反論になります。事実として正しくても関係ありません。読み手には言い争いに見えます。
訂正がどうしても必要な場合は、「心当たりがなく、確認したい」という形にします。否定ではなく確認の形にするだけで、同じ内容が穏やかに伝わります。
全部同じテンプレで返す
返信が並んだとき、同じ文面が繰り返されていると、それ自体が「読んでいない」というメッセージになります。冒頭の1文だけでもレビュー本文の内容に触れると、テンプレ感は大きく消えます。
まとめ
- 返信を読んでいるのは投稿者ではなく、これから来る人
- 謝罪は1回。残りは事実と、これからどうするか
- 反論を混ぜない。訂正は「確認」の形にする
- 全部を同じ文面で返さない
この4つを守るだけで、低評価レビューの返信は変わります。
謝罪を重ねずに書くための4手順、入れてはいけない5つの語、業種別の言い換え。印刷してバックヤードに貼れます。
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